2021年10月26日付、帝国データバンクの発表によれば、新型コロナウィルス関連倒産件数は、全国に2268件。業種別上位は、「飲食店」(390件)、「建設・工事業」(233件)、「食品卸」(118件)、「ホテル・旅館」(114件)等々…。
コロナ関連の倒産といえば、旅行・ホテル・外食産業関係が中心というイメージがありますが、「建設・工事業」は、「飲食店」に次いで多い状況です。意外と多くて、すごく驚いています。
各種ニュースサイトでは、「今後は緊急事態宣言などが解除となり、国や地方自治体からの補助金が無くなるため、飲食店は来客がコロナ前に戻らないと、今まで以上に苦しくなる。とても不安だ。」という飲食店の状況を説明し、今後も「各業種」の倒産は増加するだろうとの見解を伝えています。大規模修繕工事をひかえている管理組合、業界関係者の方々は、当業界の施工業者も倒産リスクがあることを念頭に、施工業者の選定は慎重に進めましょう。
売上規模や知名度、工事実績、提案が素晴らしいなどで、安易に大丈夫だろうと、決めないでください。そういった企業でも、倒産した例はたくさんあります。
ちなみに、私自身、勤務していた会社が倒産した経験があります。
ジャスダック上場企業、売上300億円、経営層は大手企業出身と、私自身も100%信用していました。しかしある日、突然破産宣告となり倒産しました。多くの取引先やお客様には、多額の損失を与えてしまいました。その後社員は路頭に迷いました。
そういった経験から、管理組合を施工業者の施工ミスや倒産リスクから回避してあげたいと強く思い、住宅関連の保険会社に入社し、大規模修繕工事瑕疵保険の普及に邁進しました。管理組合の皆様には、このような経験は絶対にしてほしくないと思っています。
以下に「企業衰退の前兆(参考)」を記載します。
参考にしてみてください。
【社長・役員編】
- ワンマン経営
- 社長・役員が不リスト
- 仕事より優先していることがある
- 上層部で内紛がある
- 社長が高齢で、息子・社員に社長・役員を引き継いだが経験が不十分
- 有能な幹部が退職している
【財務編】
- 売上高の横ばい、減少が3年以上続いている
- 赤字決算が続いている
- その赤字が急激に最近黒字化してV字回復している(売上増に疑問がある)
- 財務諸表に急変がある
- 金利負担の増加に疑問がある
- 当座預金の出入りに不自然な増減がある
- 多額の広告宣伝費・接待費・会議費・会員会費を毎月支払っている
- 連鎖倒産のリスクがある(大口取引先、貸出先、関連会社、業種)
【その他】
- 従業員の退社が目立っている
- 従業員の社長や幹部に対する悪口が増えている
- クレームが恒常化している
- 特定の取引先との契約が目立つ
- 各取引先からの業務受注が不安定である
- 仲間取引(元請・下請・管理会社からの受注含む)が急増している
- 業界で噂が広まっている
- この企業への発注や取引を控える取引先がいる
- 限定した売上項目しかなく、多角経営ができていない(リスク分散)