シーンとして、お通夜のような理事会、なかなか厳しいですね…。一度、喧嘩になりかけた「アツい理事会」に参加したことがありますが、言いたいことを言い合ったおかげか、その後の人間関係は良好で、理事会に出席する人数も多くなりました。理事の中に、元気な人がいると盛り上がりますね。
____今宵は、元気の出しどころを間違え、旅行の意味を履き違えた、後輩Nくんの話をしたいと思います。
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後輩NくんとM、私の3人で北海道へスノボ旅行に行きました。
さすが北海道。有名店のかき氷のような白くきめ細かな粒子が、「ギュッ、ギュッ」と、リズミカルにエッジを捕えます。___軽快に1本目を滑走。
ところが、上級者であるはずのNくんがなかなか降りてきません。そんなに長いコースではないのに…。仕方なくMとリフトへ乗り込み、上空から斜面を凝視すると………いました。赤ちゃんのハイハイレベルの速度で下るNくんの姿。斜面を真横にスライドし続けるその様は、巨大な大根でも下ろしているかのようです。
すぐに追いつき、Nくんに声をかけると、
「ひざいてぇす、ボードはきついんでスキーレンタルしてきます……」
苦痛でゆがむ顔。
しばらく滑走を続けると、スキー板を履いたNくんを発見。乙女以上の内股でノロノロと降りるNくんに近づくと、
「やっぱ、ひざいてぇす……ベンチで休みます……」
苦悶の表情のまま、レストランの方に消えていきました。
『せっかく来たんだから』『そのうちNも回復するだろう』そう考えた私たちは、北海道のパウダースノーを堪能することにし…かれこれ6時間経過した夕方___。
さすがに本気で心配になりレストランに向かうと、人が行き交うエントランスのベンチで真横になって爆睡し続ける、Nくんの姿を確認。何か特別なものでも発見したかのごとく、子供たちが覗きこんでいました。
__気を取り直して夜。
Nくんも「何とか頑張る」ということで、街へ繰り出しました。ジンギスカンに舌鼓を打ち、したたかに酔ったところで、「男3人の北海道だし、おねぇさんの店でも行くか!」という流れになりました。
雑居ビルの1階。寝たきりだった昼間のショボさとはうって変わってテンションマックスのNくん。
「北海道美人っているんですかね?いやぁ楽しみだなぁ!!!」
などと、ひとり浮かれまくり、6階からなかなか降りてこないエレベーターにイラつき、ついには、
「おれ、様子見てきます!!!」
階段を1段飛ばしでかけ上がる後ろ姿をみて、Nくんのひざを本気で心配した自分を呪いました。