【深山州のゆる~いマンション管理コラム19】ゆるやかコミュニティに必要な「ボランチ理事」とは?
「ゆるやかなコミュニティ」が「ゆるやかに育っている」マンション管理組合は、その運営がもっとも安定・向上し、長期的にみて住み心地と資産価値が向上する。
僕は繰り返し言います。間違いありません。
「ゆるやかなコミュニティ」が「ゆるやかに育つ」ために必要なことは『理事の中からボランチ(※)とツッコミ(※)担当を探せ』『いなければとりあえず自分がなっておく』です。
なお、この話の前提は
- 管理組合の会合(理事会など)を活性化させ、風通しがよく建設的な場にし続けることが、最終的にマンションの住み心地と資産価値の最大化に繋がる。そのために必要なのが「ボランチ理事」と「ツッコミ理事」である。
ということです。
「ボランチ理事」って、何だ?
まず「ボランチ」とは、サッカーの守備的な位置にいるミッドフィールダーです。
ロシアワールドカップ日本代表で言えば、
柴崎ですね!
また、最近、Jリーグの神戸に移籍してきて日本中をフィーバーにした、元スペイン代表でFCバルセロナで黄金時代を築いた
イニエスタですね!
僕はサッカーを見てて、サッカー選手の豪快なシュートやスピード溢れるドリブル・華麗なパス・屈強なディフェンスにではなく「パスを出す仲間を常に見渡す視野と、絶妙なタイミングで最善のパスを仲間に出す技術」に見とれてしまいます。
その「視野」と「技術」をもった選手が「ボランチ」です。
※僕の勝手な解釈です。
で、、、これをマンション管理組合に置き換えると、ボランチ理事とは、まさに「ファシリテーター(合意形成を上手に促進する人間)」と言えます。
ボランチ理事がいない理事会の運営と理事のモチベーションは
マンションの理事会が、理事全員が静かで管理会社に運営を依存し、進行を完全にお任せする「お通夜理事会」は論外として、多くは
- 理事長が一人でだらだら・延々と進行していて、他の理事は魂が抜けたように頷き、賛成するだけ。(どうでもいいから早く理事会が終わって欲しいと祈る理事多数。)
- 声の大きな副理事長が理事長を差し置いて喋りまくり、他の全員は沈黙。(本当は意見を言いたい人もいるが、とても副理事長に反論する雰囲気ではないので我慢。)
- 理事長と息の合った理事が2名~数名で話し合っているが、他の大勢は物静か。(どうせ出来レースなんでしょ、みたいな空気が蔓延。)
だいたいこんな雰囲気です。
主役になって喋っている人のほとんどは「自分は気持ちいい」んです。「快感」なんです。
主役になって喋っている人のほとんどは「視野が狭く、周りの理事がほとんど見えていない」んです。
目で見える/見えないじゃないですよ。感じ取れていないんです。
それって、マスターベーションですよね。
マスターベーションしている「一部の理事」とモチベーションがダダ下がりの「その他大勢の理事」。
このような理事会では、
「場の雰囲気が最悪で、参加者のモチベーションは下がり、会合が活性化しない」「理事や住民の理事会運営に対する気持ちがネガティブになり、理事のなり手が減っていくか、輪番で無理やり選任した理事が理事会に出てこなくなる」
だけでなく、
「会合での議決内容が特定の理事の考え・意見に偏る」つまり「道(運営の方向)を誤る」
リスクを常に負っています。
これ、ボランチ理事がいないから起こってしまうんですよね~
この「マンション管理組合の学校」発起人の一人で、マンション管理士(メルすみごこち事務所)とマンション管理会社(クローバーコミュニティ)の代表。まわりが勝手に「すごい人」と誤解しているが、実はマンション管理や修繕の専門知識は高くない。とにかく仕事もプライベートも理事会も「楽しく」「新しい」ことを考えていないとアタマが腐ってしまうので、取り扱い注意。『怪しい経歴書』はあまりに文が長すぎて誰も見る人がいないとか。