__【序章】余裕の態度にみる、ビジネスでの有利性について
余裕の態度、つまり、落ち着いた行動をとるということは非常に大切です。
相手から重要人物とみられることは、ビジネスを成功に導くために必要な要素でしょう。
それにはコツがありまして、私が考えるポイントは5つです。
①身なりを整える
②背筋を伸ばす
③口角を少し上げる
④ゆっくりと話す
⑤大きめの声で話す
この中でも、口角を少し上げるというのはかなり有効でして、不適な笑みとでも言うのでしょうか、余裕の表情に見えます。
この笑顔で、学生時代に私だけ喧嘩に巻き込まれなかった経験があります。
また、クレームに対峙するときなど特に必要なのですが、第一声を意識してゆっくり、少し大きめの声で話し出すことで、相手にペースを握られずに済みます。
共通しているのは、第一印象で「余裕があるな」と思わせることがとても大切ということです。それが全て、といっても過言ではありません。
詐欺師が最初の待ち合わせに、なぜピカピカの靴を履いてホテルのラウンジを使うのか…
第一印象がその人を決定づける最大の要素であることを熟知しているからに他なりません。
___プーケットナイトにみた余裕の紳士
余裕ある態度で有利性を体現した、ある後輩のエピソードを紹介させていただきます。
後輩Mと先輩K、私おさらぎの3人でタイの観光地、常夏のプーケットへサーフィン旅行へ行きました。
「今日はいい波もあてたことだし、プーケットの夜を楽しもうぜ!」ということで、繁華街パトンへ繰り出し、深夜0時も回ったころ、最近できた人気のディスコとやらに入ってみました。
そこは、ちょっとした体育館くらいの広さはあろうかという、大きな箱だったんですが、深夜に盛り上がるとの評判通り、ところ狭しと人があふれ大繁盛。様々な国の人々が入り乱れ、酒を飲みながら躍りに興じておりました。
カウンターで各々の酒を頼み、しばし様子を伺っていると、突然2人組の女子が声をかけてきました。
「ニッポンジン?」
20代と思われるタイ人の2人は、色白で、日本人ぽい雰囲気のめんこいちゃん。
かなりびっくりしましたが、ほんの少しだけタイ語が話せる私は、言葉を返そうとしました。
その瞬間です。
後輩Mがズイっと前に出るなり、 右手を大きく横に広げ、私を制して放ったセリフ。
「ここは俺に任せてください!」
その男らしい様、立花のミノルにヒロシが放った一言、「吐いたツバ飲まんとけよ」(byビーバップハイスクール)を完全に凌駕しておりました。
「あれ、タイ語しゃべれるのかな?」と疑問に思いましたが、Mはめんこい2人に笑顔で手のひらを見せると (ちょっと待って)と余裕のジェスチャー。
そのあまりにも落ち着いた対応に、タバコの煙渦巻く喧騒の中にして、Mを取り巻く空間だけが、時間が止まったのごとく澄んだ空気が流れました。
次にMは斜めにかけたバッグをごそごそやりだし、何やら取り出しました。
本です。
『さすが、ジャパニーズビジネスマン!意思疏通のためにはしっかりとしたコミュニケーションこそ原点…こんなところにまでタイ語の会話集を持参していたのか_____彼こそ、平成の企業戦士!!彼こそ、24時間戦える男!!はな垂れの新入社員だったM、いつのまに成長したな……』
涙がにじむ思いがしました。
めんこいちゃんも、ひとりの日本人の紳士的な行動を息をのんで見つめています。
すると、Mはゆったりとした手つきでぺらぺらとページをめくりだし、『買い物をする』のカテゴリの、あるワードを静かに指差しました。
それを見た、めんこいちゃん
「ぶーーーっっ!!!!」
と吹き出し、腹を抱えて爆笑、涙を流しながら「オッケーオッケー」と言うではないですか。
私はそのありえないほどの破壊力を見せつけた笑いの秘密を探るべく、Mが指差すワードを横からみて、モスコミュールを吹きました。
【マンション管理組合の学校 事務局 マンション管理士おさらぎ】