【マンション管理士おさらぎブログ】過信の先に待っていたもの…その地獄絵図とは(2)

雪に注意してください___。

天気予報を嘲笑うかのような大雪のせいで、関越自動車道が通行止めになってしまいました。
私たちスノボサークル一行は、一般道の険しき峠を越えることを余儀なくされます。

大雪の峠道など越えた経験のない私の車の前にはハイラックスサーフ。

カーナビがない時代においても、田舎道を知り尽くした男、Mは実に頼もしい存在です。
___それは、目的地のスキー場まで、あと数キロの下り坂で起きました。
左に大きく曲がるカーブで後輪を滑らしたハイラックスサーフ。

 

「ガシャーーン!!」

 

縁石に右側の後輪を激しくぶつけ、何トンもあろうかという四輪駆動の巨体が、確実に数十センチ飛び上がりました。

OEKAKI28

「あっ!!」

 

私の車に乗っている全員が声をあげました。
(タイヤが少し…グラグラしてる…??)

____Mは停車しません。

気づかないわけがない。恐らく、車中の仲間は天井に頭をしたたかに打ったはずです。
スキー場の駐車場でようやく停車したハイラックスサーフのもとに走る私たち。

運転席には、窓を叩こうが呼び掛けようが、一切応じようとしないMの姿が…。
その目は薄く閉じられ、なぜか穏やかに見える顔は、即身仏そのものでした。

生まれてはじめて、本物のふて寝をみた瞬間でした。

 

車の話題に触れてはいけないことを悟った私たちが、自販機の横に転がる空き缶のように、べっこりと凹んだボディを指摘することはありませんでしたが、その夜___。

買い出しのため、ハイラックスサーフに男四人が乗ってスーパーに行ったときのことです。

「ガシャーーン!!!」

駐車場でバックをする私たちを突然襲った、本日2回目の衝撃。

振り返ると、想像すらしたことのない至近距離に黄色い日産マーチ
サーキットにおいて「テイル・トゥー・ノーズ」という、前のマシンに後続車の鼻先を近づける究極のテクニックがありますが、その近さたるもの、しのぎを削るF1の世界を完全に越えていました。(ぶつかってますから)

Mは鬼の形相で、マーチの運転席に座っている若者に向け

 

「あいつ動きましたよ!!!」

 

と吠えましたが、冷静な私は、『これは10対0だな』と、瞬時に判断しました。
___駐車場の枠内に規則正しく納まった黄色いマーチ。

運転席の若者の右手には牛乳、そして、ポカンと開いた口からは、コッペパンがぶら下がっていたのです。

OEKAKI30

翌年、どんなに注意しても、「俺は大丈夫です」と譲らなかったMのタイヤが冬仕様になりました。

 

「泳ぎ上手は川で死ぬ」
ことわざ:自分の力を過信して、慣れたことや得意なことで失敗することの意味)

まぁ、この場合は「運転上手は雪で死ぬ」って感じですが、我が身に置きかえ、常に謙虚さを忘れずに生きていくようにしましょう
自省の念をたっぷりと込めて…。

 

 

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