こんにちは、マンション管理士・行政書士のYです。
このコラムでは、自身の理事体験談を書いています!
ある理事会での話です。
来期の大規模修繕について、業者選定を始めていく旨の説明が、管理会社フロントマンからありました。
内容としては、いくつかの会社から見積もりを取り、そこから総会の決議を経たうえで決定していくとのことでした。
その当時、業界の仕組みを全く知らなかった自分は、ある疑問を素直にフロントマンにぶつけてみました。
自分:『すいません。質問があるのですが』
フロントマン:『はい、何でしょうか?』
自分:『よく分かっていない前提での質問なのですが、決定した業者から御社(管理会社)はいくら、もしくは何%位紹介料をもらうのですか?あと、その紹介料って、今回の大規模修繕の価格に上乗せされているのでしょうか?』
フロントマン:『・・・どういうことですか?』
この時点でかなりきょどり気味でした。
自分:『いや、だから単純に御社は施工業者から紹介料をいくらくらいもらうのかっていう質問です。勘違いしないでもらいたいのですが、別にそれが悪いって話ではなく、御社が紹介料をもらっていても良いのですが、それはどのような感じで、いくらくらいか知りたいだけです』
フロントマン:『それは社外秘なのでここでは申し上げられません。また、価格に関してはそのようなことも加味して複数業者から合い見積もりを取り、価格も含め条件の良い業者へ決めようということで進めていますので・・』
自分:『社外秘ですか。ということはもらっているという解釈でよろしいわけですよね?あと、いくら合い見積もりをとったって、全ての業者へ事前に紹介料の件を伝えていた場合は、全ての業者は価格にその分を上乗せしてくると思うので、紹介料に関しては合い見積もりの意味はあまりない気がするのですが?』
フロントマン:『もらっていることも含め、社外秘なのでここでは申し上げられません。また、価格はあくまで施工業者が決めることで、そこの私共の意思決定が加わることはありません』
自分:『あくまでここでは社外秘というのであれば、一度お持ち帰りいただき開示のご検討お願いします!何故かというと、業者にはディスカウントを求めるのに、もし紹介料というものが存在するのであれば、そこにディスカウントお願いしないというのはおかしな気がするので。』
フロントマン:『検討いたしますが、お返事には時間がかかります』
自分:『時間ってなんでかかるのですか?何なら今電話で聞いたって済む話じゃないのですか?』
フロントマン:『・・・とにかく一度この件については持ち帰らせて下さい。』
・・・どうやらこの紹介料というものは、管理会社にとってはある意味パンドラの箱的なもののような印象を受けました。
結局、この件に関しての明確な返答はないまま、業者選定に入っていったのですが、この紹介料こそ正直大規模修繕のコスト削減の一番の原資になるのではと思いました。なにしろ、この件については管理会社は何か特別にしているわけでも無さそうなので。
※勿論、別途特別に何かする場合は報酬は発生するでしょうし。
この時は本当に知識なしで質問したので、この程度のやりとりで終わりましたが、この紹介料という仕組みは今後の全てのマンションの大規模修繕計画に大きく影響してくるのではと、知識のないその当時の自分でも感じました。
闇が深いな、管理会社と施工業者の商慣習。(続く)