【マンション管理のリスクをアライ出す、元理事アライのコラム】記録を残すー書類の保存1 総会資料の保存状況を確認したら

皆さんのマンションでは管理組合の書類をどのように管理していますか?

管理会社に管理業務を委託しているマンションでは、管理会社にお任せではないでしょうか。

私のマンションでも管理会社に一任していて、総会議事録などの重要な書類は全部揃ってるよね、と当然のように考えていました。

が、規約改正作業を行っているときに総会議事録を確認したり、その他のいろいろな書類を見るうちに、その保存状況に不安を覚えるようになりました。そこで、規約改正が一段落した段階で、次は組合の重要書類の保存に着手しようと考えて理事会で提案し、私が担当することになりました。

議事録の原本はいずこ

確認は総会の資料から始めました。

管理員室には総会の議案書と議事録を綴じたファイルがあり、中を確認したところかなり抜けがありました。破れていたり書き込みがあるものも…。

そこで管理員さんに聞いてみると、「総会議事録は管理会社のオフィスで保存しています。」とのことでした。議事録の保存場所を示すプレートに管理会社の名称が記載されていることから、管理会社で保存している、と、その理由も私に説明してくれました。管理員室にある議事録を綴じたファイルは「控え」で、そのため、抜けや破れや書き込みがある、というのが、このまじめで几帳面な管理員さんの認識でした。

そこで私は、理事会で改めて管理会社のフロントに議事録の原本の保存場所について聞いてみました。
フロントは「管理員室です」と当然のように回答しました。

私は、議事録の保存場所を掲示するプレートに管理会社の名称が記載されていること、保存場所は管理会社であると管理員さんが言ったこと、管理員室にある議案書、議事録は抜け、破損、書き込み等があり原本とはいい難いことを言いました。これだけの根拠を示して、やっと、管理会社側で原本の所在について改めて確認することになりました。

議事録の一部が行方不明

数ヵ月後、管理会社から総会資料の原本を整え、管理員室に保存した、との連絡がありました。確認したみたところ、

  • 資料は、前回私が確認したときよりも増えていた
  • 前回無かった「原本」のゴム印が押されているものがある
  • 古い議案書や議事録は「原本」ではなく「控え」(コピー)
  • 破損、書き込みのある書類は無い
  • 議事録が無い回がある

前より良くなりました。原本が無いとしてもコピーがあれば内容を確認することはできます。しかし、定期総会のある回(1回)と臨時総会のある回(1回)、合計で2回分の議事録がありません。メールで指摘したところ、定期総会分は紛失、臨時総会分は原本は紛失したが控えがあったのでそれを保存する、とのこと。

紛失したってどういうこと?

その前に、原本を揃えたって連絡してきたときに、抜けがあることをなぜ言わない?整えましたって言うときに、この分だけありませんって自ら言ったらどうよ。どうせ確認したら分かるんだし、などと考えつつ、この紛失の件が理事会でどういう話になったか経緯を忘れてしまったのですが、後日、フロントから、紛失したはずの2回分の総会議事録が他のファイルに紛れていたので保存したとの連絡がメールで来ました。

これで全部揃ったことになります。一件落着、でいいのだろうか?

本当は良くないです。書類の保存は管理会社に委託している業務であるにも関わらず、保存状況もその後の対応もすべてにおいて滅茶苦茶です。「無い」ってシレっと言ったかと思えば、「他のファイルに紛れてました」って。謝罪も無し。口先だけでも謝罪しろよ、社会人なんだから、と思いましたが、他の問題が山積している中で、一応解決した問題は優先順位を低くせざるを得ません。ありがとうございました、でこの件は終了しました。

 

議案書は議案書を保存すればOK?

議案書は議事録とは違って全部揃っていました。ところが、議案書には資料が添付されていることがあります。詳細は添付の資料をご参照ください、みたいな感じで。具体的な内容は添付資料を見ないと分からないのですが、それが一切ありませんでした。

そこで、理事会で、こういうのは添付資料を見ないと内容が確認できないから一緒に保存する必要があることを指摘して、過去の添付資料も揃えるよう依頼しました。

後日、フロントから、管理委託契約書、重要事項説明書以外の添付資料が無いとの連絡がメールでありました。管理委託契約書、重要事項説明書ともに管理会社との業務委託契約に関わる資料です。それ以外のものは一切無い、と。

びっくり!捨てちゃったの?添付資料が無いと内容が分からない重要案件って沢山あるんですよ。いちいち指示されないとやらないってか。

理事会で、再度探すよう言ってみました。議事録のように「無い」と言ってたものが他の書類の中に埋もれていた実績もありましたから。ところが、監事を務める方から横槍が入りました。

「無いものはしょうがない。今後は保存するようにすれば良い。」

監事がそんなこと言っちゃうの?再度びっくり。

この件について他の理事たちからの発言はなく、仕方ないので諦めることにしました。事の経緯は理事会の議事録には残しましたが。

指示されないと平気で捨てちゃう管理会社から管理組合の重要書類を守るために、私は書類管理のポリシーを作ることにしました。次回はそのポリシー作成について書きます。

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