東京オリンピックを目前に、東京消防庁が防火管理にさらなる監視の目を光らせています。
オリンピック開催期間の訪日外国人は1000万人を超えるともいわれており、都民のほぼ同数であることから、東京の人口が突然2倍に膨れ上がる、という事態が想像できます。
オリンピック対策としてロンドンが講じたように、テレワーク(在宅勤務)を急いですすめないと、朝の通勤ラッシュはどうなってしまうのかと心配しますが、所狭しとビルが乱立する東京ジャングルで「ずさんな管理」から万一火災でも起きたら、それこそ国際問題にもなりかねないわけです。
東京消防庁がどのくらい力を入れているかというとホームページをみれば一目瞭然で、消防法に違反している「違反対象物件」をかなり積極的に公表しています。消防設備の不備や、防火管理者が設置されていないなど、かなり細かくチェックしていますので、防火責任者は、消防署から指導が行く前に対策を講じてください。東京以外のエリアも同様にお願いします。
話は変わりまして、十分な対策を講じても地獄をみた、友人のエピソードを紹介したいと思います。
「携帯にゴミ箱があるって知ってた?」
ハンドルを握る友人が、前方に目を向けたままおもむろに尋ねました。
もちろんそのような認識がないことを話すと、彼が口にしたのは、捨てられたものが「ゴミ」ではなく「平和な日常」だったという地獄だったのです___。
「昨日はありがとう」
世にLINEもスマホも存在しなかった遠い昔。
リビングで携帯をいじっていた小学生の息子が、突如、朗読をはじめました。
その携帯、不要なったガラケー。
データ削除の上、おもちゃとして息子に渡したものです。
気づいたときには、その携帯を嫁が取り上げていました。
削除したはずのメール、それは、産廃物より厄介なシロモノだったのです。
からくりはこうです。
携帯のなかに、まさかのゴミ箱が存在。削除したデータがパソコン同様にゴミ箱に一旦収まるという、まったくをもって不要なシステムあり。
そのパンドラを息子が偶然開けてしまったのです。
本当の地獄はこの先にありました。
送信と受信、それぞれ削除したメール。
バラバラのピースはゴミ箱に収まることで時系列に整理され、LINEのごとく会話が成立。そこに、「生き恥」という名のパズルが完成してしまったのです。
ところが、若くして要職についた彼のリスクヘッジ能力はもはや野性動物レベル。
ランボーを凌ぐ修羅場をくぐった経験から、そもそもメールの登録を全て男性の名前に置きかえていたのです。
嫁は尋ねました。
「これさぁ、どう考えても女だよね」
「仮に、男だとして、この言葉遣いおかしいだろ」
彼の回答はこうです。
「仮定の質問には答えかねます」
さらに、地獄の追及はつづきますが、次の一言で、あきれ果てた嫁が追及をやめたそうです。
「黙秘権を行使させていただきます」
インド独立の父、マハトマ・ガンジーは次のような言葉を残しています。
「死ぬ覚悟が出来ていれば、人は自由に生きられる」
ハンドルを握る彼をうらてる夕日がキラキラと輝き、それは、もはや後光にしか見えませんでした。
携帯メーカーを訴えようかと真剣に考えた、ガンジーこと彼の主張はこうです。
「日本を代表する企業が作った携帯、なぜゴミ箱なんてわざわざつくるのか。会議では今回のようなリスクは検討されなかったのか。不測の事態を想定し対処法を考えるのが企業の責務ではないのか?」
私には、携帯メーカーの回答がわかりました。
「不貞の想定はございません」