【実話リレーその1】水道直結工事により大幅なコストダウン!

給水の直結工事によるコストダウンについて

(東京都中野区:小規模マンション理事長のつぶやき)

[マンションの概要]
○所在地:東京都中野区内 A管理組合
○規模:総戸数16戸、4階建、単棟・住居のみ
○築年:築28年
○管理組合:理事会あり
○管理会社:分譲系大手管理会社

1) 水道直結工事を行うキッカケについて

当マンションは4階建て16戸、築28年目に入ったマンションです。
以前から水道(給水)を貯水槽(受水槽)方式から直結方式(受水槽やポンプを使わず、公共水道の圧力で各家庭の蛇口まで直接給水する方式。アパートや一軒家はすべて直結方式です。)にすべきではないかという話が理事の間でありました。しかし、管理会社から取り寄せた水道直結方式の見積もりは750万円と高額で、金額が高すぎるため棚上げになっていました。

ところが、昨年に管理会社から「貯水槽内で使用している部品が錆びているので交換したい」との見積もり6万円がでてきました。これまでも、内部部品の交換で20~30万円の交換費用が発生しており、もっと抜本的に解決しないといけないと思うようになりました。

そこで、水道を直結方式にするために本当に750万円もかかるのか疑問に感じた為、今回は管理会社はとおさずに自分達で直接業者さんに見積もり依頼する事にしました。水道直結工事を請け負う業者さんは水道局からリストがでていますので、それらの業者さんのホームページをできる限り見て、実績と技術力がありそうで、地元である中野に近い業者さんを2社選び見積もりを依頼する事にしました。

2) 水道直結方式の見積もりをとってわかった事

マンションが5階建て以上の場合、通常は給水するのに増圧ポンプが必要のようですが、当マンションは4階建ての為、増圧ポンプを使用しなくても大丈夫(つまり水道直結工事が可能)である可能性がありました。

もし、増圧ポンプ無しでできれば、ポンプ自体の交換費用や、ポンプの定期的な点検費用も節約できます。この為、見積もりとしてはポンプ無しでできないか検討して提出していただくよう各社にお願いしました。

こちらで見積もりをお願いした2社のうち、1社(B社)についてはポンプ付と無の二つの見積もりを出してくださいましたが、無にできるかどうかは自分達では判断できないとのお話でした。B社は技術力がないらくしく、水道工事という作業を行う会社のようでした。

しかし、もう一社(C社)は、水道の損失計算を行って設計上大丈夫か、又実際にマンションの水道の水圧がどのくらいかを測定して確認し、ポンプ無で行ける事を明言してくださいました。C社はあとでわかったのですが、損失計算するソフトを社長さんがつくったそうで、いま業界でそれが使用されているとの事でした。この為、自信を持って言えたのだと思います。

これに対して、管理会社経由の業者(A社)の見積もりは増圧ポンプを付けた見積もりだけになっており、「最大限かかった場合の見積もりです」とのコメントがありました。ポンプが本当に必要かどうかの検討はされていませんでした。一言で言いますと「こんなに高い工事だから止めた方が良い」というニュアンスのお話でした。

管理会社の立場もわからなくはありません。もし水道直結方式へ変更になると、これまで予定している工事費や点検費用という売り上げが無くなり、そこから得られるマージンが減ってしまいます。つまり、管理会社から見れば現状のまま貯水槽を使用し続ける事がもっともありがたい事だからです。

3) 水道直結工事によるコストダウン効果

最終的に、昨年末にC社へ水道直結工事を依頼し、工事を実施しました。この工事によるコストダウン効果を表2で示しました。

貯水道(受水槽)が無くなった事で、強化樹脂でできているタンク自体を新しいものに交換する必要が無くなり、ポンプや制御盤を十数年ごとに交換する費用もなくなりました。

また、隔月で行っていた貯水槽やポンプ・制御盤の点検と、年1回の貯水道内の清掃が無くなりました。

さらに、ポンプが無くなった事でタンクから各戸に送るポンプの電気料金も無くなりました。電気料金についてはまだ実績が1か月しかありませんが、今後どのくらいの削減になるかウオッチしていきたいと思います。今回はとりあえず、この金額が継続されるとして記載しております。

まとめますと、表2にありますように本来は今後30年間で1000万円以上の費用が必要になっていましたが、今回のC社による工事は総額で約250万円ですから、費用が1/4に抑えられた事になります。最終的に30年間で約900万円もの削減になりました。

なお、今回の水道直結工事で分かった事ですが、これまではいったん地上の貯水槽に水を貯めポンプで4階まで給水しましたが、給水ポンプの圧力は本管の水圧以下の圧力となっていました。つまり、これまではやらなくても良い事をしていたという事です。

4) 最後に

水道直結工事を実施する事で、管理組合にとっては大きなコストダウンになる事がわかりました。マンションが何階建てかによって効果は異なると思いますが、4階建てで貯水槽を使用しているマンションの方には、安易に増圧ポンプを付けてしまうのではなく、ポンプ無しでできないかを業者さんによく調べてもらってから実施すべきと思います。

又、見積もりをとる際には管理会社をとおさずに管理組合が直接業者さんに見積もり依頼し、業者さんのご意見を直接お聞きする事が重要と思います。

なお、水道直結工事を実施する事によるデメリットは、断水時に貯水槽にある水を使用できなくなるという事だと思います。当マンションの管理組合はコストダウン優先でこの工事を実施しました。何を優先するかはそれぞれの管理組合の判断だと思います。

(2019年3月15日 東京都中野区:小規模マンションK理事長より寄稿)

捨部(ステーブ)です。「個性あふれる先生による講義」を、「ライブ映像(自称)」でお伝えします!また、ほかの学校(情報サイト)で講義された先生のコラムや、臨時講師によるコラム「マンションの取り組み事例集」もお伝えしますよ!あなたのマンションライフを充実させるための取材…これが私、ステーブのジョブズ(仕事)です!

One thought to “【実話リレーその1】水道直結工事により大幅なコストダウン!”

  1.  水道直結方式は、経費節減だけでなく、水質改善もあります。
     水道局の安全な水が蛇口から出て来ます。
     多くの自治体水道では、3階までなら増圧された水が出るので、簡易専用水道の官能検査や残留塩素測定もいらなくなります。
     中小規模のマンションなら、導入をお勧めします。
     ただ、停電時には、低層階だけは配水池の場所により断水せずに水道は出ますが、上層階はすぐ断水します。
     念のため、散水栓等、水道管直結の水栓を確認しておくことをお勧めします。

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