理事会に総会で選任された理事本人ではなく、その配偶者等が代理出席して、理事本人は任期中一度も出席しなかったという事例はかなりの組合である様です。
標準管理規約53条関係では以下のコメントがあります。
- 理事は総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して議論に参加し議決権を行使することが求められる。
- したがって、理事の代理出席(議決権の代理行使を含む)を規約において認める旨の明文の規定がない場合に代理出席を認める事は適当ではない。
- 「理事に事故があり理事会に出席できない場合はその配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまでも、やむを得ない場合の代理出席を認めるものであることに留意が必要である。
上記コメントの様に、規約に明記されていない理事会への代理出席や委任、事前の議決権行使には問題が多く、特に重要な理事会決議等には、一般組合員から理事会決議そのものの有効性への疑問が投げかけられることもあります。
しかし、現実問題として、理事会に本人ではなく配偶者等が代理出席していることが常態化しているという管理組合では、管理規約を見直して役員の資格を区分所有者のみでなくその配偶者、同居の親族など必要な範囲まで拡大して「配偶者等が理事本人として出席できる」ように、現状に則した規約に変更する事をおすすめします。
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