【フロントはメールを読んでいるのか問題】11.鍵紛失でいくら掛かるか

高機能だが価格も高い個別ID方式の電子キー、住民が鍵を無くした場合、いったいいくら掛かるのか?
業者から説明を受ける機会は設けられず、フロントはメールで簡単に説明しただけで細かい部分は分からない。質問に対する回答もいつ得られるか依然として不明。
とくに分からなかったのが、カタログに記載されていたIDの登録抹消に関する説明だ。
「IDキーの登録抹消は各住戸単位で行います。キー等を紛失した場合でも、紛失したキーのみを簡単に無効にできる安心なシステムです。」と書かれている。
8月10日フロントのメールにも

それぞれの号室に対して8個までの鍵登録が可能で、鍵を紛失した場合は個別に抹消する事ができます。メーカー又は代理店にて紛失したカギのデータ登録抹消、及び新しいカギのデータ登録作業を実施します。
その際に別途出張費として約12,000円(新しいカギ費用は別途発生)がかかります。

鍵を紛失した場合は「個別に抹消できる」とあるので、紛失した1本に対してIDの登録・抹消作業を行えるように読める。だが、その前にある「それぞれの号室に対して」という文言が引っかかる。「各住戸で8個まで登録可能」と読むのが順当だが、「各住戸(ごと)に対して個別に抹消できる」という意味だと捉えることもできないことではない。

共用鍵を誰かが紛失したとき、セキュリティに厳しいマンションでは全戸の共用鍵を交換することもあるらしい。そういうマンションでも全戸交換ではなく戸別交換で済みますよ、ということか。
つまり、「個別に登録・抹消できる」というのは「戸別に登録・抹消できる」という意味かもしれない。

「個別」なのか「戸別」なのか。これは大きな問題だ。

住戸単位の登録抹消について私は次のように推測してみた。
ID管理は技術的には1本単位で可能だが、鍵を紛失した場合当該IDの特定がしにくい。鍵を失くした人(住戸)は分かるが、どの1本を失くしたかを失くした本人が分からない。そのため住戸単位とした。住戸の鍵を一気に交換すれば利益も上がる。だから「戸別で登録・抹消」仕様にした、かも?
鍵を紛失した場合の費用については8月10日のフロントのメールに1本3,000円との記載があった。さらに個別ID方式では別途出張費12,000円がかかる。
たとえば配付された鍵が3本で1本紛失した場合に負担する金額は次のようになる。

戸 別:3,000円×3本+12,000円+1,680円(消費税*)=22,680円
個 別:3,000円+12,000円+1,200円(消費税)=16,200円
一括ID方式:3,000円+240円(消費税)=3,240円
*当時の消費税率8%で計算

こうやって比較してみると、戸別も個別もそう変わらないか。いや、6,000円以上違う。私なら1本無くしても放置だな。そうなると、紛失した鍵のIDを抹消して無効化することでセキュリティを守れるメリットが生かされない。
ていうか、個別ID方式、高いよ!

IDをどのように管理・運用するか、エントランスのセキュリティレベルをどこまで求めるか、将来の拡張性、利便性、コストパフォーマンスなど様々なことを検討してはじめて、個別ID方式と一括ID方式のどちらを選ぶかが決められる。

8月18日、私は役員にメールした。
上記のような個別ID方式で懸念される問題点や、仕様についてよく分かっていない点について記載し、発注前に管理会社の設備担当やメーカーの人間から直接説明を受けるのは必須、メールベースの意見交換では無理があることを訴えた。

私はこの役員宛のメールを書くまでは、鍵の1本1本に異なるIDが付与され、鍵を紛失したらその鍵のIDを無効化するものと考えていたが、ネットで見つけたカタログにはIDの登録抹消を「各住戸単位で行う」と書かれている。そういえば、結構前の理事会でもたしかフロントからこんな話が出て、理事たちは「そんなバカな話は無いだろう」と言いフロントに確認するよう依頼したことがあったような。例によって回答は無くうやむやなまま現在に至っている。
結論をきちんと出さない理事会運営、周回遅れの議事録、理事会の要望を適当に流すスルースキルの高いフロント。こういった要因が絶妙に絡み合った、当然の帰結といえる。

ちなみに理事長案に無条件で賛同した一級建築士は、8月11日のメール以来存在感を消している。こういうときに意見するのがプロだろう。

果たして理事会は開催されるのか?

つづく

(photo by photoAC)

マンションの面倒ごとは管理組合と管理会社が解決してくれるって思っていませんか?私、アライは、理事になるまでそう思っていました。それと、自分のマンションにはこれといった問題が無い、とも。理事になってはじめて知った自分のマンションの様々な問題とその解決策について、リスクマネジメントの観点から考えてみます。

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