【フロントはメールを読んでいるのか問題】12.鍵決定

仕様が分からないまま、理事の個別の判断によって採用する鍵を決定しようとしている状況に危機感を覚え、私は再三にわたって臨時理事会の開催を訴えていたところ、8月20日に理事長から役員とフロントに対してメールが出された。
役員に対して、一連のメールを読むこと、アライ理事から臨時理事会の開催提案があり、自身も開催したほうが良いと考えていること、管理会社に対しては仕様について説明できる業者の同席を要請することが書かれていた。
そして臨時理事会開催が決定。

理事会の直前に私は役員にメールした。
鍵の配付本数や、追加購入の可否、インターホンの玄関前カメラオプションの申し込み方法など、理事会として決定しておかなければならないことが沢山あったが、これまでの理事会運営を見ていると、そういう細かいことなどを忘れることが多々あるためだ。今回は必殺技の先送りが使えない。

8月27日、臨時理事会が開催された。管理会社からはフロントのほかに設備担当が出席、さらにインターホンメーカーと鍵業者も出席した。
インターホンについては、採用機種、発注金額まで決定済みだったので、新たに審議することは無かったように思う。ただ、土壇場になって何が起こるか分からないので、メーカーの担当者には足労ではあったが、出席は無駄だったとは言えないだろう。
主な検討内容は鍵について。ここに来てやっと業者から直接話を聞くことができた。
電子キーは鍵穴が摩耗しないことや、オートロックの解錠方法、停電時の動作、個別ID方式と一括ID方式の仕様などについて説明を受けた。
セキュリティについてはやはり個別ID方式の方が強固だ。一括ID方式では鍵の型番が分かれば業者に発注して使用できるが、個別ID方式では管理組合側でIDを登録しないと使えないそうだ。
停電のときはオートロックは動作しなくなる。停電の瞬間、閉まっていれば閉まったまま、開いていれば開いたままとなる(これは電子キーに限らずシリンダーでも同じ)。こうなった場合ドアの開閉はどうしたらいいかというと、ドアにシリンダーがあるので現在使っている共用鍵で開けたり、裏口などを使うことになる。
理事会では、これまで、個別ID方式は鍵の紛失時にIDの個別抹消ができるし、管理組合を通さないとスペアキー作成ができないなど、セキュリティの観点から一括ID方式より優位であると考えていた。しかし、上記のとおり、今後も電子キーと併用するシリンダー鍵によって他の出入り手段があること、シリンダー鍵の複製が自由にできることから、管理組合で鍵の状況を管理しても無意味という結論に達し、理事会は一気に一括ID方式採用に向かった。

個別ID方式について説明を聞かず仕様もよく分からないうちから、いち早く理事長は採用を表明し、一級建築士の理事はそれに追随した。私は、仕様が分からぬ、業者に説明をさせろ、と何度も主張してやっと理事会開催に漕ぎつけ、理事長案とは別の製品を採用することで決着した。

また、一括ID方式採用を決定したあと、先日来メールでやり取りしていた各種の決定事項について話し合った。
鍵については次のことを決定。

●各戸に3本配付する(議決権数4の住戸のみ4本配付)。
●配付本数を超える鍵が必要な場合、実費負担で追加購入を可能とする。申し込みは区分所有者のみとし、賃借人からの申し込みは不可とする。追加注文書を管理会社が用意する。

ところで、個別ID方式で鍵紛失時の「戸別」なのか「個別」なのか問題については、理事会で配付された資料に以下のような記載があった。

個別にIDを登録・抹消できるので、紛失したタグだけの抹消ができる。登録は紛失した色のタグに情報を上書きする。紛失したタグを抹消しても、その他のタグは引き続き使用できる。

つまり、住戸+タグの色で紛失したタグ(鍵)を識別しているため、
紛失した鍵の特定ができる ⇒ 「個別に登録・抹消できる」が正解だったようだ。

これは、フロントが理事長からメールで質問され、それを鍵の業者に転送、それに対する業者からの回答メールをプリントアウトして資料として配付したものだ。だから、理事会まで待たずにメールで回答しろよ、と何度言ったら…。
また、紛失した場合の費用は、一括ID方式 ¥6,050(税込)、個別ID方式 ¥11,500(税込)が単価で、個別ID方式で別途かかるとされるIDの登録・抹消はサービスとのこと。フロントの説明と全然違うじゃん…。

鍵の採用システムについてはこれで決着した。
同じ時期に並行して説明会の案内状や各種資料を作成していたが、これがなかなか厳しい作業となった。
次回は資料作成のあれこれについてご紹介する。

つづく

(photo by photoAC)

マンションの面倒ごとは管理組合と管理会社が解決してくれるって思っていませんか?私、アライは、理事になるまでそう思っていました。それと、自分のマンションにはこれといった問題が無い、とも。理事になってはじめて知った自分のマンションの様々な問題とその解決策について、リスクマネジメントの観点から考えてみます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

アーカイブ