【ある「元」大手管理会社取締役のつぶやき】
- 【元管理会社取締役つぶやき その8-1】管理会社と管理組合の本当の信頼関係を築くために(1)-
これまでの「つぶやき」で、「愚民政策」「馴れ合い見積もり」などとお話を進めたため、管理会社の悪行だけが印象に残ってしまいましたでしょうか。
これはマンション管理会社間の過当競争がもたらした弊害なのかもしれません。
リプレイス合戦が当たり前となり、価格競争が激化しています。リプレイスを防止するためなら何でもありで、愚民政策と言われようが構っていられません。
リプレイスで受注しても、たたき合いで管理の本業だけでは儲かりません。だからこそ小工事や、大規模修繕工事、その他あらゆる局面で利益を上げようとするのです。
会社の利益追求が行き過ぎた結果、背任罪になりかねない行為に手を染めるのでしょう。
私が思う、管理組合から見た「理想の管理会社」とは
私が思う、管理組合から見た「理想の管理会社」とは、
- 常に管理組合の利益を最大に考え、管理業務に専念する
- 法令を遵守して管理組合の情報公開と組合員への啓蒙活動に徹する
- 小工事や修繕は直接受注せず、その準備や資料作りだけに専念する
- 何より管理委託料が安い管理会社
ということになります。
極端な発想ですが、消防設備点検、貯水槽清掃、エレベーター保守管理、緊急通報対応(機械警備)、管理員の雇用から、小修理、大規模修繕コンサル、大規模修繕工事に至るまで、すべて管理組合が直接発注することが究極の管理形態となります。
究極の管理形態だと、管理会社ってまるで儲かりそうにないように見えませんか?管理委託料は安いけど毎年赤字なんて会社に管理を任せたいと思いますか?こんな会社があったとして、あなたの息子や娘を入社させたいとは思わないでしょう。
企業努力を重ね、創意工夫と必要な投資を行い、管理組合の理解を得られる仕組みを構築して様々な収益事業を自社で提案し、適正な利益を上げて、社員も顧客も満足できる会社。
こんな理想の管理会社に管理を委託したいと思うのであれば、管理組合からの管理会社の見方を少し変えてゆく必要がありそうです。
そう、管理会社にしっかり儲けてもらうのです。
(つづく)
菅 理(すが さとし)
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