【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その114】ディスポーザー浄化槽の運転最適化で省エネ(その2)

前回のコラムの続きです。

5.ディスポーザー浄化槽の設計の基準とマンションの使用実態

ディスポーザー浄化槽が前提としている設計上の基準は以下の通りです。

  1. マンションに1住戸あたり3.5人が居住している
  2. 台所では毎日1人あたり35リットル(1住戸あたり122.5リットル)を排水する
  3. 台所排水のBODは1300mg/Lである

オリンピックの選手村のような施設(3食全てを現地で調理し全員が食事をとる)が定員で運営されているケースであれば、設計基準通りの機能が必要と思われます。では、皆さんがお住いのマンションの実態はどうでしょう。

  1. 空き部屋は無いでしょうか?
  2. 1住戸当たり(空き部屋を含めた)の平均居住人数は何人でしょうか?
  3. 朝昼晩の3食を台所で調理する割合はどれほどでしょうか?
  4. ディスポーザーが処理する生ごみや食べ残しの量はどれほどでしょうか?

これらのマンションの実情に照らした検証は誰も行っていないのです。

設計基準に基づいて、ディスポーザーメーカーは流入汚水の負荷(汚染度合い×排出水量)を最大限に見込んだ設備を設置し、保守管理会社はマンションの台所排水の実情に関係なく、設置された機器をフル稼働させています。マンションの台所排水の実情を無視した過剰な送風を行い、無駄に電気代を消費している可能性が大です。
これを是正するためには、ディスポーザー浄化槽の設置者(管理組合)が自らの意志で検証を行い、妥当な運転方法を選択し、実行する必要があります。

 

6.最適運転の検証手順

  1. ディスポーザー浄化槽の設置状況と運転状況を確認します。
  2. 設計図、設計計算書、点検記録、水質試験結果などを確認します。
  3. マンション管理会社、保守管理業者と打ち合わせを行い、検証の手順を共有します。
  4. 送風機の運転台数を毎月(又は保守点検の都度)変化させ、その結果放流水質(BOD,SS,ノーマルヘキサン抽出物)及び溶存酸素濃度に及ぼす影響をモニタリングします。
  5. 3カ月から半年をかけて検証を行い、ディスポーザー浄化槽の機能を損なうことなく送風機の稼働台数を削減できる運転方法を判定いたします。
  6. 変更した運転方法により削減が見込まれる電気料金を合理的に算定します。
  7. 必要に応じ、管轄の下水道局に検討の結果を相談します。
  8. 上記検証内容を管理組合に報告し、保守管理業者に運転方法の変更を指示します。

 

7.削減可能な電気料金の予測

電気料金の削減額を大まかに予測します。
500戸のマンションのディスポーザー浄化槽では、1.5kWの送風機が10台程度並列で設置されていると思われます。仮にそのうち4割の送風機を停止しても、汚水の浄化能力に影響が無いとの判断に至れば、停止可能な送風機は4台です。(削減台数は検証の結果、提案いたします)

送風機を1台停止することで削減可能な電気代は、月額15,000円程度と想定できます。4台停止による年間電気代削減額は72万円程度と想定できます。(マンションの規模・居住実態等に応じて削減予想額は異なります)
事前に調査費用として20万円(税別)を申し受けます。(1団地内に複数のディスポーザー浄化槽がある場合は、1施設につき10万円の追加調査費用が必要です)

削減が可能となった電気代と汚泥処分費(税込)の1年分相当額から調査費用を控除し、残金を成功報酬として申し受けます。
現在保守管理会社によって年1回程度実施している水質試験(BOD,SS,ノーマルヘキサン抽出物)を検証期間中(3~6カ月の間)毎月1回、管理組合負担で実施していただきます。(費用は1回当たり1万円程度です)

 

 

8.モニタリング業務のご提案(オプション)

ディスポーザー浄化槽の運転最適化後、ご要望に応じモニタリング業務をお引き受けします。

<モニタリング業務>

  1. 保守点検報告書及び水質試験結果のチェックと必要な助言
  2. 設備の異常、不具合が報告された場合の技術的な解説と助言
  3. 設備の故障、修理などの費用見積が提示された場合のセカンドオピニオン(現地に出向いての調査、検証は別料金となります)

費用は、ディスポーザー浄化槽1基当たり月額5千円(税別)です。

 

9.本件の担当者名、略歴等

担当者
奥 隆志

経歴
信州大学理学部化学科分析化学コース卒業
BOD,SS,ノーマルヘキサン抽出物質を含む多種の水質指標となる水質分析の実務経験を有します

職歴
汚水処理プラントメーカーで汚水処理施設、浄水施設、し尿処理施設などの建設と維持管理に従事した経験を有します
マンション管理会社及び関連の設備管理会社で団地終末処理場や浄化槽の保守管理の経験を有します

保有資格
下水道技術検定第3種(公共下水道維持管理資格)、浄化槽管理士
マンション管理士、区分所有管理士、管理業務主任者、宅建士
管工事2級施工管理技士、建築物環境衛生管理主任技術者(ビル管理主任技術者)

以上

直接お話を聞けば、解り難い浄化槽の仕組みや、聞きなれない水の汚れを表す数値についてもわかりやすく説明してもらえます。あなたのマンションの浄化槽も過剰な運転で電気代を無駄にしているかもしれませんね。

今回のコラムで取り上げた内容については株式会社カナメサンクチュアリの奥隆志氏(080-8434-5452)のご協力をいただきました。

 

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