【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その118】外壁タイルの剥落訴訟で、施工側が費用負担を認める和解

三宮の高層マンションで、外壁の落下に関して、管理組合が事業主と施工会社を訴えていた裁判で、被告側が費用負担を認める形で和解が成立したとの報道がありました。

これに関連した報道や記事のサイトを紹介します。

神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202101/0014034064.shtml

羽鳥慎一モーニングショー等での度重なる報道
https://kakaku.com/tv/search/keyword=%E3%82%A2%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%BA%E7%A5%9E%E6%88%B8%E4%B8%89%E5%AE%AE/

MAG2NWES
廣田信子『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』
https://www.mag2.com/p/news/485127/2

マンション管理組合にとっても、不動産・建設業界にとっても注目の和解内容です。

タイル面の施工不良を指摘できたことが、勝訴につながったと思います。
同様のクレームを申し出ても、事業主や施工会社の木で鼻を括るかのような対応に苦慮している管理組合は、あまた存在すると推察します。今回の和解に勇気づけられて、今後多くのマンション管理組合が同様の訴訟に踏み切るのではないでしょうか。

瑕疵担保の問題が生じた場合、管理組合は消費者として正論を展開し、売主にまず謝罪を求め、同時に無償での補修工事や損害賠償を求めることとなります。一方、事業主や施工会社は多くの場合大企業であり、自社の名誉を重んじてなかなかこれには応じません。

ここは、一つ妥協して、実を取る解決を目指すのも一法です。

 

 

瑕疵担保責任の有無を追求しない代わりに、無償で補修してもらうといった解決も立派な課題解決です。

大手企業は名誉を守るための相応の出費には抵抗が少ない(特にゼネコンはアフターサービスとしての支出については一定の予算を持っている)ものです。争って勝訴を勝ち取ることをゴールとせず、原因はさておいて、現状の不具合の状況を共有してもらい、今後施工不良については問題としないことを条件として、補修工事を無償で実施させることが出来れば上々と私は思います。

この場合、施工上の瑕疵を指摘する技術的な検証を突きつけるとともに、訴訟も辞さずとの管理組合の不退転の決意をアピールすることが肝心です。

妥協前提の理事会討議は、マンションを分譲した不動産会社の子会社の管理会社(社員)の前で決して行わないことです。本件の審議は管理会社には席を外していただくことが肝心です。情報漏洩を防ぐため、限られた担当理事や担当委員に(妥協も視野にいれた)交渉を一任し、最終的な組合員への経過報告とその承認を諮る時までは、オープンな議論は控える必要があると思います。

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