さて最初のコラムになります。
自己紹介では「実際に対応した事例を中心に、ソフト面とハード面を織り交ぜアップ」としていましたが、先日参加した建築関係の講習会がマンション管理面でも役立ちそうな気がしましたのでお伝えしていきたいと思います。
サミーは神奈川県建築士事務所協会に所属しており、その中の「建築物調査・鑑定登録事務所」での講習会に参加してきました。講習の内容はブロック塀の点検や改修についてなどです。
昨年の6月18日に発生した「大阪北部地震」では小学校のブロック塀が倒壊し小学生が下敷きとなり死亡してしまうという痛ましい事故が起こりました。ブロック塀が杜撰な施工だったことは皆さんの記憶にも新しいと思います。
(写真:産経デジタルより)
これを受けて各行政はブロック塀の調査や対処法などの指導に乗り出したため、建築士事務所協会においてもしっかり勉強しておこうとのことで開催された講習会です。細かな技術的なことには触れませんがこの講習からの話しとマンションでの留意点をお伝えしたいと思います。
【1】ブロック塀とは
一般に呼ばれているブロック塀の正式名称は「補強コンクリートブロック造の塀(以下「ブロック塀」という」といいます。ブロック塀は、鉄筋コンクリート造の布基礎の上に普通コンクリートブロックを組積して鉄筋で補強した壁体からできる塀です。
エスビック株式会社さんのデジタルカタログから幾つか写真を抜粋してみました。
スタンダードなブロックの製品写真
スタンダードなブロック塀
こうしたお洒落なものもブロックです
塀ではありませんがマンションでの事例
【2】ブロック塀の点検
エスビックさんの写真はブロックだとわかりやすいものですが、補修等により表面にモルタルが塗られていたり塗装をされていたりすると、補強コンクリートブロック造なのか鉄筋コンクリート造なのか一見わかりにくいものがあります。こうした塀はまず表面をよく観察してください。縦横に薄っすらと均一のスジが見えるようでしたらブロックで作られています。スジが見えないようでしたらハンマーなどで軽くたたいてください。マンションの壁(塗装面)と同じような固そうなコツンという短い音でしたら鉄筋コンクリート造、軽く空洞を感じる音ですとブロック造です。
字数が尽きたようなので、点検のポイントとマンションでの留意点を次回に説明します。
大阪府北部地震の被害者は、運が悪いと言わざるを得ません。
登校時間中で、道とプールの間に余裕がないうえ、高さがありましたから、もっと多くの被害者が発生していた恐れがあります。
マンションでも、道沿いにブロック塀があると同様の事故は起こります。
一刻も早く撤去し、生け垣等に変えることが望まれます。
最新の防犯常識では、塀を高くして死角を作るより、道から見えるようにし、防犯効果を高めようとしています。
当地も風致地区のため、ブロックではなく、生け垣が目隠しになるよう規制されています。
それでも、既存住宅等には適応されませんので、ブロックやスレート塀には注意が必要です。
ブロック塀の中は分かりませんし、強度の少ない園芸用のブロックを使った日曜大工ブロック塀もあるかもしれません。
叩いて分かるのもある程度の専門知識が無いとできませんから、今できる事は、ある程度の距離を取り、通行するしかありません。