- 【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その34】元請業者・下請業者・同業者、それぞれの『掟』(その2) -
3.同業者の掟
- 知り合いの同業者から協力見積もりの依頼があった場合は協力する。
- 同業者間でできる限り話し合いをして、特定の同業者が競争なしで仕事を受注するように取り決める。(これを談合といいます)
絵に描いたような談合は最近影を潜めているように見えますが、なくなってはいません。
以下のようなケースがグレーゾーンであり、まだまだ業界の常識です。
以下のようなケースがグレーゾーンであり、まだまだ業界の常識です。
- 防犯カメラの増設が数社の業者に依頼された。既存の業者は現在のサーバーに一体的に画像を取り込んで分割画面の一画面として監視可能。同業者はこれに遠慮して、既存業者にどんな協力見積もりをすれば良いか問い合わせる。辞退すればいいようなものだが、既存業者にこれで恩を売っておけば、逆の立場にたった場合には助けてもらえる。
- 事前に同業者から「御社に○○管理組合から○○工事の見積もり依頼をしてもらおうと思うが、協力見積もりをお願いできないか。」と打診する。色よい返事がなければ見積もり依頼業者から外す。
多くの業者はこれに応じる。顧客(管理組合)の見積もり依頼先の選定まで任されるほど営業が先行している同業者の仕事を、今更頑張って取りに行っても無駄骨になるのは明らか。ここはこの同業者に協力しておけば、逆の立場になったときは…… - 顧客(管理組合)から見積もり依頼のあった仕事の発注仕様書に特定の業者の商品名が指定してある。(これを設計折込みと言います。)敢えて仕様変更を申し入れ、自社が扱う商品を同等品として認知してもらうための営業は大変な労力だ。
これを扱う同業者に連絡をしてこちらから協力見積もりを申しでよう。ここは同業者に恩を売り……
(専門業者が数社しかいないような業界では業界全部が仲良し業者というケースもあるのです)
番外編『管理会社の掟』
驚くべきことですが、マンション管理会社も特定の仲良し関係の会社同士が協力見積もりを出し合っています。
デベロッパー系を親会社に持つ分譲系管理会社は、特にお互いの仕事を守りたいですし、あえて他社の仕事を取りに行かない会社も多いですから、共同戦線で防衛策を練っています。
驚くべきことですが、マンション管理会社も特定の仲良し関係の会社同士が協力見積もりを出し合っています。
デベロッパー系を親会社に持つ分譲系管理会社は、特にお互いの仕事を守りたいですし、あえて他社の仕事を取りに行かない会社も多いですから、共同戦線で防衛策を練っています。
管理組合が業者選定のためヒアリングに呼んだ複数社の担当者。実は全員が本命の特定の会社の社員。なんてことまであるのです。
(オキテ話オワリ)