【コラムニスト紹介】菅 理(すが さとし)~ある「元」大手管理会社取締役のつぶやき~

元大手管理会社取締役_ブログ

大手のマンション管理会社の黎明期から数年前の退任まで長年にわたり携わってきた私は、管理会社という立場でしかマンション管理を見ていなかったことに気づかされました。

 

マンション管理会社の役員という立場を離れてこの業界を眺めると、大企業の系列管理会社であっても決して管理組合にあからさまに語ることのできない、裏の一面を各社隠し持っていることがわかります。多くのコンサルタント会社も同様のことが言えます。素人の管理組合や理事会をうまくあしらって、自らの利益を追求しているのです。

企業ですから利益を追求することは当然です。しかし顧客をうまくあしらい、勘違いさせ(この辺までが適法な企業活動の限界ですが)、詐術をもってしてまで利益を追求しているとしたら犯罪です。

 

一方の管理組合や理事会も、「管理会社には騙されないぞ。これ以上管理会社を儲けさせないぞ。」とあらゆる局面で管理会社を疑ってかかり、管理会社と対立することが管理組合の為になるのだと勘違いされているケースが見受けられます。

 

管理の本業(事務管理や管理員業務、設備の点検管理等)では、たたき合いの競争で儲けが出せない。本業がたとえ赤字覚悟の受注でも、管理を続けていれば儲けるチャンスが訪れる。経常的な小修繕、台風被害の復旧、地震災害の復旧、大規模修繕工事、共用部分の変更工事などはチャンス到来です。ここぞとばかりに管理組合をうまくあしらい、時にはだましてでも儲けを確保する管理会社。

 

管理会社にお任せし、気を許して油断していると、いつの間にか管理会社にうまくやり込められていると気づき始めた管理組合。下手をするとダマされてしまうかも知れないと、警戒し、ことごとく管理会社と対立する管理組合や理事会。
このままだと、どこまでも敵対関係が続いてゆきます。だからと言って、信用できない管理会社には任せないぞと、完全自主管理に移行する(できる)管理組合は極めて少数派です。

2017年5月から、管理組合の学校というサイトでコラムの執筆が始まりました。コラムを書き進めるうちに、先に述べた問題が私なりに少しずつ整理できるようになりました。

管理会社と管理組合は、契約関係を継続する限りは、何としてでも相互に分かり合わなくてはなりません。WIN-WINの関係に転換できる知恵があるはずです。お互いの立場を理解しあい、良好な関係を構築する知恵を出し合い、相互に努力をすべきではないかとの思いに駆られるようになりました。

コンサルタントも弁護士も相談者や質問者に沿った回答をすることでクライアントを増やしたいとの思いが優先し、時には自分の思いを率直に発言する足かせとなる場合がありそうです。匿名だからこそ本音で、時にはきわどい発言も続けてゆき、マンション管理組合の運営がより実りあるものにできたらと思います。 

菅 理(すが さとし)

 

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