【元管理会社取締役つぶやき その14】分譲マンションを食い物にするコンサルタントはこうして見破る(その3)

 

元大手管理会社取締役_ブログ

【ある「元」大手管理会社取締役のつぶやき】
 【元管理会社取締役つぶやき その14】分譲マンションを食い物にするコンサルタントはこうして見破る(その3)

前々回、前回ブログで書きましたが、分譲マンションを取り巻く業者には、管理会社以外に、マンション管理のコンサルタント、マンション管理比較サイト、大規模修繕コンサルタントなど様々です。

これらはみな「管理組合の立場で管理組合の専門的な業務を支援する」ことを標榜していますが、マンション管理組合が素人集団であることをいいことに、やりたい放題です。

言葉通りに管理組合の立場で真摯に業務を行っている業者はほんの一握りです。

 

③大規模修繕コンサルタント(設計事務所等)

数千万、時には数億円の発注金額となる大規模修繕工事には、蜜に集まる蟻のように多くの業者がまとわりつきます。

建物診断、工事仕様書や入札要綱の作成、指名業者選定、現場説明、質疑回答、プレゼンテーション実施、業者比較検討と各社の講評、工事請負契約書の締結、工事監理、竣工検査、手直し箇所の指示等……専門的な業務であり、とても素人の管理組合がこなせるものではありません。
そこで専門コンサルタントの登場です。

これらの作業をコンサルタントに所属する一級建築士等の技術者が本気でこなせば、素人の我々にとっては驚くような金額が必要です。

でも修繕工事を専門に行っているコンサルタント会社の多くは、意外なほど安値で受注しているのです。

もう今まで説明してきたことから皆さんはそのカラクリが想像できますね。

だったらコンサルフィーが高い業者に発注すれば安心と思いますか?
高い業者でも同じことをする商慣習があるのがこの業界なのです。

 

悪徳業者に食い物にされないために

すべての業者がこんな背任行為を行う悪徳業者ではありません。まじめにやっている業者は僅かですが確かに存在します。

では、管理組合はどうやって悪徳業者を見抜けばよいのでしょう?

それは意外と簡単です。

業者にプレゼンをさせ、その業者の実績のあるマンションを実名で、できるだけたくさん教えてもらいましょう。そして、教えてもらった管理組合において、それぞれどの業者を選定したのか教えてもらうのです。

何のためらいもなく教えてくれる業者は信頼できる業者です。
管理会社と馴れ合うマンション管理コンサルタント(マンション管理士・NPOなど)も、工事業者と馴れ合う大規模修繕修繕コンサルタント(設計事務所・一級建築士事務所など)も、馴れ合っているのは特定の業者です。

いつも同じ業者(又は数社の業者)を選定していることがばれるとマズイ業者は

「社外秘」

と突っぱねます。

管理組合はコンサルタント任せとせず、コンサルタントに何か不審な動きがあれば教えてもらえるように、管理組合側からも見積もりに参加させる業者を推薦し、監視しましょう。

それでも管理組合推薦の会社の価格がコンサルタントから漏れて、意中の業者が受注するかもしれません。見積書は厳封した状態で提出させ、理事の面前で開封させましょう。

依頼するコンサルタントに、あなたのマンションを担当するマンション管理士や一級建築士などは、自社の常勤正社員以外従事しないことを約束させましょう。
(もしそうでない場合は管理組合の事前の了解を得ることとする。)

利益相反行為、契約違反行為があった場合は、管理組合が被った実損害に加えて相当額の損害賠償を約束させるのも有効だと思います。

誠実な会社には何でもないことが、悪徳会社には相当なプレッシャーです。

竣工検査の時に、コンサルタントの監理建築士に健康保険証を見せてもらいましょう。実は修繕工事を担当した修繕専門業者の社員だったりすることも……

これらの癒着は、すべてあなたのマンションの支出をムダに増大させ、管理費会計の赤字や修繕積立金の値上げリスクに直結するのです。他人事だと思わず、真剣に見極めてください。

菅 理(すが さとし)

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