【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その49】管理会社と管理組合はすれ違ったままなのか(その2)

元大手管理会社取締役_ブログ

理事会の要請を受け、次の理事会では管理会社の支店長が出席いたしました。

日頃お世話になっているお礼。当マンションが支店の中でもシンボリックな契約であり、力を入れて対応することなどを述べられました。
「これまで見直しを協議していただいている清掃や植栽に限らず、総合的に見直し、より良い管理となるよう提案させていただきたい。」との発言がありました。

理事サイドも、これまでフロントや担当課長の問題発言や、業務履行上の不満を具体的にあげつらうことなく、「現地スタッフはよくやってくれているので、今後の貴社の改善を期待したい。」と総論でのやり取りに終始したのです。

ただ、前回理事会から、ひと月を経て、課題としていた清掃と植栽に関する改善提案が先延ばしになったことには少々不満が残りました。

 

__更にひと月が経過した定例理事会。

理事会「管理の総合的な見直しはどのような内容になりましたか。」

管理会社「申し訳ありませんが、全体の見直しに時間を要しており、今回の理事会では、検討内容の中間報告をさせていただきたく・・・・・」

理事会「今まで御社が管理を行ってきて、十分問題意識をお持ちの当マンションの管理内容を見直すのに、一カ月以上の時間を要することに到底納得できません。当マンションの管理経験の無い、他の管理会社に管理の提案をお願いしたとしても、ひと月もあれば現状を十分把握して管理の提案が出来るのではないですか。」
前回理事会に支店長が出席して管理の全面的な提案を約束したにもかかわらず、中間の経過報告しか出てこないことに理事会は大いに落胆しました。
担当者では話にならないから、会社を代表した立場の方との話し合いを求め、それが実現したはずなのですが、どうしたことでしょう。

そもそも、フロントとその上席課長に対する不満や暴言の内容は支店長には伝わっていません。
お互い大人の対応ですから、各論に踏み込んではいませんでした。
そのため、管理組合の抱く強い不満や不信は、支店長には認識できなかったのでしょう。上司の前で不始末を暴露すれば本人の出世の道が断たれるかもしれません。そんな恨みを買うような発言はだれしもしないものです。

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理事会が責任者を出席するよう要請するのはよほどのことと、管理会社の管理職ならばその真意をつかまなければなりません。
一回顔を出して、理事のご機嫌を伺い、対応を約束した後は、また担当任せ。
これでは問題の解決には到底なりませんね。
支店長自身が理事長、副理事長などのキーパーソンと、担当者を同席することなく直接面談する等、状況の把握に努めることはできなかったのでしょうか。
それが無理ならば担当課長を交代させ、別の中間管理職から、前任者に対する不満、業務の懈怠や機能不全の有無などを把握させ、これら不満の要因をいち早く改善するといった誠実な対応が望まれます。

管理組合と管理会社が本音でやり取りできないならば、いつまでたってもすれ違いのままで、不満が拡大してゆくばかりです。「相手の懐に踏み込むべきは管理会社の側から」と心得てほしいですね。

 

「【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その49】管理会社と管理組合はすれ違ったままなのか(その2)」への2件のフィードバック

  1. いつも興味深く拝読しております。
    ポイント制、とても面白いと思います。
    私のマンションでも導入を検討したいと思います。

  2. お読み頂きありがとうございます。
    ご質問、ご意見等ありましたらお寄せください。

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